第六章

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「実は…あまり……大…丈夫じゃ…ありません…ね……」 やや、途切れ途切れになり始めたレイの言葉。 ローブの裾からは、血が垂れている。 「お前!?」 それを確認した途端に、声を荒げたニアに、レイは微笑みかけた。 「流石に……油断させるためとは言え………ハァ…ハァ……撃たれたのは…まずかったかな…」 その言葉を発した後、レイは倒れ込んだ。 「おい!? しっかりしろ!」 ニアの叫びはレイに届かなかった。 「んん…ん… ここは…どこだ」 次にレイが目覚めた場所は、ベッドの上。 辺りを見ると、簡素な机に椅子。本棚と乱雑に置かれた服… そんな部屋だ。 もちろん見覚えは無い。 ここがどこなのかと、レイが思案していると、突然扉が開いた。 「お?起きたか」 現れたのは、任務で救出した、ニア・エクスフィアだった。 「ええ 申し訳ありませんでした」 「何がだ」 レイの突然の謝罪に、ニアは訳がわからないと言った風に言った。 「任務中に気を失ったことです」 そんなニアに、レイは淡々と言うが、ニアは意味がわからないと言う顔になる。
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