第六章

15/19
前へ
/115ページ
次へ
「私は問題無い それに、お前は銃で撃たれたんだ 気を失っただけで済んでよかったよ」 「そうですか ありがとうございます。 ところで、ここはどこです? 病院…という訳では無いでしょうし…」 レイは礼を言いつつ、疑問に思っていた事を口にする。 「ここは、私の部屋だ」 「ニア嬢の部屋でしたか…」 ニアが言うには、この閑散とした部屋はニアの部屋らしい。 喋り方も女性らしくないならば、部屋もまた… レイは、そんな失礼な事を考えていた。 「そんなことより、お前の名前は何なのだ?」 「言いませんでしたっけ?」 「聞いてない まぁ、二つ名とやらは聞いたがな」 その言葉に、レイは苦笑いをしながら、口を開く。 「わたくしの名はレイと言います。 ご存知の通り、グローリー第三師団所属『漆黒の道化』です」 「レイ…か… ファミリーネームは何だ?」 ニアは、疑問に思ったように聞くと、一瞬だけレイの顔が曇った。 だが、すぐに笑顔の仮面を着け、答える。 「ファミリーネームはありません 両親が死んだ時に捨てました 本当の名も一緒に…ですがね」 レイは、最後の言葉を小さな声で呟いた。 「本当の名も捨てたのか?」 しかし、その言葉は聞こえたらしく、ニアが食いついて来た。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2404人が本棚に入れています
本棚に追加