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「ちょっと待ってください」
「なんだ?」
ニアの暴走を止めようと、勇敢にも声をかけるが、レイはニアの顔を見て諦めた。
何故なら、ありありと、『弟にならなければ許さない』と顔に書いてあるからだ。
「はぁ…なんでもありません」
「それはよかった
じゃあ、これからもよろしくな
レイ・エクスフィア」
ニアの満面の笑みには勝てる者はいないだろう。
普段は粗暴な言葉遣いにも関わらず、この笑顔は、あまりにもかわいらしい。
「よろしくお願いします
ニア・エクスフィア嬢」
二人は、固く手を握り合い、ニアは満面の笑み、レイは苦笑がちな表情だった。
「それから、私とレイは一緒に暮らして居たんだが、中々に大変だったな」
カウンターに座りながら、レイを見つめ話すニアの顔は、大変だったと悪態をつきつつも、どこか楽しそうな表情だった。
対して、自身の事が話されているレイは黙々と料理の準備をしている。
「どう大変だったんだ?」
シンは、さらに具体的な話しを聞きたい様だ。
「初めの一ヶ月は、私に敬語を使ったし…
なんとか辞めさせたら、今度はずっと笑顔…
気味が悪いったらなかったよ」
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