第六章

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「ちょっと待ってください」 「なんだ?」 ニアの暴走を止めようと、勇敢にも声をかけるが、レイはニアの顔を見て諦めた。 何故なら、ありありと、『弟にならなければ許さない』と顔に書いてあるからだ。 「はぁ…なんでもありません」 「それはよかった じゃあ、これからもよろしくな レイ・エクスフィア」 ニアの満面の笑みには勝てる者はいないだろう。 普段は粗暴な言葉遣いにも関わらず、この笑顔は、あまりにもかわいらしい。 「よろしくお願いします ニア・エクスフィア嬢」 二人は、固く手を握り合い、ニアは満面の笑み、レイは苦笑がちな表情だった。 「それから、私とレイは一緒に暮らして居たんだが、中々に大変だったな」 カウンターに座りながら、レイを見つめ話すニアの顔は、大変だったと悪態をつきつつも、どこか楽しそうな表情だった。 対して、自身の事が話されているレイは黙々と料理の準備をしている。 「どう大変だったんだ?」 シンは、さらに具体的な話しを聞きたい様だ。 「初めの一ヶ月は、私に敬語を使ったし… なんとか辞めさせたら、今度はずっと笑顔… 気味が悪いったらなかったよ」
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