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「ん…おいしいです。」
「ありがとうございます」
二人はコーヒーを飲みながら、談笑をした。
世間話、今日の授業の事などを話し、笑い合っていた。
「少し暑いですね?」
レイはそう言うと、着ていたローブを脱ぎ、ブレザーとワイシャツを脱いで、黒のロングTシャツに黒のパンツという、比較的ラフな恰好になった。
「あら?」
その姿を見て、何かに気付いたようにフィルが声をあげる。
「どうかしましたか?」
レイは皆目見当も着かないと言った様子で首を傾げながら聞いた。
「そのネックレス綺麗ですね?」
フィルがレイの胸元に輝く、氷の結晶のデザインのネックレスを指差した。
「ありがとうございます」
微笑みながら、それを指で摘んでみせる。
「彼女からのプレゼントかな?」
何気なく言ったフィルの一言にレイの微笑みが消えた。
替わりに出てきたのは、悲しみに満ちた顔。
「レイ…さん?」
「これは、俺にとって大事な奴に貰った物なんです…
でも、そいつはもう……居ないんです…あいつは…もう……」
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