第六章

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「それじゃあ、遠慮なくやらさせてもらいますか~♪」 心底楽しそうなレイの様子に、フィルは今まで疑問に思っていた事を聞く。 「それにしても、どうして、そこまでに楽しそうなんですか?」 フィルのその言葉は、シンとアルの気持ちを代弁したものだった様で、シンとアルも気になると言った風にレイを見つめる。 「まぁ、賞金なんてどうでもいいんですが…と言うよりは、100万程度のはした金に、気を揺らす程、俺は貧乏じゃありません…」 「100万がはした金って…」 レイの言葉に、シンがツッコミとは言えないような力無い口調で言った。 「グローリーで依頼をこなせば一回で100万を越えるだけの賞金が出る。 だから、賞金なんかが目当てじゃない… ただ、この学園のレベルを知る良い機会だからな… そして、なにより…強い奴と戦えるのが嬉しいんだ」 「嬉しい?」 レイは、あえて後半を小さく呟いたのだが、アルには聞こえたらしく、聞き返して来た。 「ああ… より強い人間と戦えば、俺はさらなる高みに行ける…」 しかし、レイの返答は、嬉しいと言った感情よりも、悲しいと言った感情の方が表に出ている。 「レイ…」 そんなレイに、ニアは心配そうに声をかけた。
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