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「ニアとの関係を話すには、俺の過去を話さなくちゃいけないんだが…
聞くか?」
「レイさん!それは…」
レイの言葉に、フィルは、即座に反応した。
レイの過去を知ってるが故に、話しをするレイの心中を察しての事だろう。
だが、レイはそれを微笑みで返す。
「大丈夫です」
そう言ってから、レイは淡々と、自身の過去を話し始めた。
親の死…
幼少からのグローリー入隊…
朔夜の存在…
そして…
朔夜の死…
話し終われば、辺りは静まり返り、レイは、少しの間、眼を閉じていた。
「ここまでは、フィルさんには話してあったが、この話しには続きがあるんだ…」
「続き…ですか?」
フィルは、眼に涙を貯めながらも聞く。
その様子を見たレイは…
「泣かないで下さい…
フィルの…誰かの泣く姿は…
出来れば見たく無いものですから…」
やはり、辛そうに言った。
「朔夜が死んでからは、世界が憎かった…
魔族が憎かった…
そしてなにより、自分が…
自分の弱さが憎くなった…」
レイの言葉に、誰も声を出さなかった。
ただ、その話しに耳を傾けている。
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