第六章

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ここは、グローリーの鍛練所… 朔夜が死して2年の月日が流れ、14才になったレイは、一人で特訓をしていた。 朔夜の死は自身の弱さが招いた結果だと… 自身が朔夜を殺したのだと… そんな思いを胸に秘めながらも、朔夜との約束を守り、笑顔でいる事に努めた。 この時には、既にグローリー、第三師団に所属していた。 「冷徹の死神様 師団長がお呼びです。」 一人の青年が、鍛練所にいるレイを呼びに来た。 グローリーは、完全な実力社会で、レイのような二つ名持ちは、一般の隊員に尊敬と羨望の念を向けられている。 「わかったよ~ わざわざありがとね♪」 2年前ならば、有り得ない程に軽やかな返答。 始めは驚かれたが、今は一般隊員にも認知され始め、特には驚かれたりはしない。 「それでは、失礼します」 それだけを言い残して、隊員は去って行く。 一人残されたレイは、少しの間、天井を見据えて動かなかった。 (朔夜… 約束通りに、今は笑ってるよ… お前はどうだ? 朔夜…) 返事など、返って来るはずの無い事を思いながらも、そんな事を考える。 この2年間は、そればかりだった。
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