序章

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「帰る気は……なさそうだね。」 何だよ…これ。 今度は、身体から妙な力が―― 『殺ス。殺ス。殺ス。』 「ッ!?」 妙な力が身体中に溢れてくると同時に、タタリ神が刀を振り下ろし俺に襲いかかってきた。 俺は、咄嗟に防御したけど遠くに弾き飛ばされた。 「イッテ~…」 タタリ神め、結構やるな。 タタリ神に反撃に行こうと立ち上がった瞬間、俺の耳に聞き覚えのある声が聞こえた。 「お兄ちゃん!?」 「珠紀?」 どうやら弾き飛ばされた場所は、バスの待合室の近くらしくて珠紀は、俺を探してバスの待合室まで来てたらしい。 「お兄ちゃん!探してたんだよ。」 「はは……ごめんな珠紀。」 俺は、今にも泣いてしまいそうな珠紀を抱き締めた。 あッ…そういえばタタリ神!!アイツは? 恐る恐る俺が弾き飛ばされてきた方向を見るとそこには、タタリ神の姿はもうなかった。  
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