序章

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「痛っ!」 バチリという大きな音と共に珠紀の声が聞こえた。 「どうした、珠紀!!……っ!?」 珠紀の側に駆け寄ろうと近づくと…先ほどと同じようなバチリという大きな音と共に、身体に痛みが駆け抜ける。 「なんだよ…これ?」 静電気ともいえないスゴい痛み…もしかして珠紀もさっき…… 「……境界線」 「え?」 見えない何かを見つめ珠紀が口を開いた 今…境界線って言ったよな。境界線ってやっぱり今の… 「ぇえええええっ!?」 「こんどは、何だよ!…っ!?」 また珠紀の声が聞こえ珠紀の方を見ると… 珠紀が屈み込んでいてその前には小さな生き物がいた。 身体は、灰色のボールみたいで、そこから鉛筆で一本線を引いたような手足が四本伸びている。…ってか二本足で立ってるし 「た、珠紀…何これ?」 珠紀の前にいるヘンテコな生き物を見ながら俺は、珠紀に聞いてみたけど喋ったのは珠紀じゃなくて… 「ナンゾ?」 ヘンテコな生き物だった。 「しゃしゃしゃ、喋った!?」
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