序章

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…あいつ喋るんだ 珠紀もかなり驚いてるし まぁ…そうだよな。まさか喋るなんて…これは、夢か?夢だよな? 「ナンゾ?」 ピョコピョコとヘンテコな生き物は、珠紀に近づいてきた。悪いものじゃないと思うし…大丈夫だよな。 「クモツカ?」 クモツ?…珠紀が落として転がってるミカンを指し示しながら言ってる? 「クモツカ?」 …クモツ…くもつ…供物! なるほどミカンが供物か……って何で? 何でこんなヘンテコな生き物に供物? 一応…ヘンテコな生き物をもう一度確認しておくか 「……いない」 あいつ…素早い!! 「ってか…珠紀もいない!?」 ヤバい目を離した隙に… 「珠紀!!珠紀!!」 返事が聞こえない。 俺…耳は、かなり良いはずなのに珠紀の足音すらも聞こえない……珠紀どこいったんだよ。 「こんな所で考えても始まらないよな……捜しに行くか。」 珠紀の事だから…来た道を戻ったって事は、絶対ないよな。 あるとしたら……この森か… 何でこんな所に森が…… 「まぁ…田舎だから仕方ないよな。……っ!?珠紀?」 今…一瞬だけど珠紀の悲鳴が聞こえた 「珠紀!!どこだよ珠紀!!」 珠紀の名前を叫んでもやっぱり返事は、返ってこなくて俺の声が響いてるだけ。 さっきの悲鳴が聞こえただけで…珠紀の声は、それ以降は聞こえない こんな静かな村なのに… 何で…何で珠紀の声が聞こえない?  
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