こんなに好きなのに…

6/19
前へ
/143ページ
次へ
よし、戻るか 春日さんにあんなに言っといて 戻らんわけにはいかんし 「じゃあまた後で…」 『ぉん、あとでなぁ~』 あ、 若林… ちょうど楽屋から出てくるとか… ついてないなぁ… 「あ…」 「…どーも、石田と話してて楽しかったですか?」 「…ええ、楽しかったですよ。」 やっぱむかつく 「……あのさ、石田の事好きなんはわかる、けどもう少し、春日さんにも気ぃつかってあげれへんの?」 「…なんで春日なんかに気を使わなきゃいけないんですか?」 …春日さんの気持ちに 気付いてへんの? 「…石田は譲らへんで。」 「僕も負ける気はありませんから…では、失礼します。」 …負ける気はないか。 けどそれは俺かて同じや。 「…ただいまぁ」 『ただいまって、お前家や無いんやから…』 「ええやん、石田が居るんやし」 『なんやねんそれ(笑)』 なあ、石田。 「なんでもええやん、あ、なんか飲むか?」 『お、飲む、飲む。何あるん?』 「水、お茶、オレンジジュース」 『オレンジっ!』 「ジュースかい」 『ええやん、たまにはジュースでも』 「ええけど」 俺、むっちゃ石田の事好きや 「はい、おまちどさん」 『サンキュー…あーやっぱうまいわ~』 「……好き」 『え…なにが?』 「え、あ、そんなにジュース好きなんかと思って;;」 『むっちゃ好っきゃで?』 「そうか;;」 危ない 危ない;; つい 声に出してしもうた… 『な、井上』 「なんや?」 『井上も飲む?』 「俺はええわ」 『なんで?ほら、俺の飲めば?』 「なんでお前の飲みかけ飲まなあかんねん」 『ですよね~』 …若林さん 勝負は始まったばっかりですよ? 好きな気持ちは 誰にも負けへん。 絶対に譲らへん。 譲らへんからな。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

403人が本棚に入れています
本棚に追加