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「何故…何故前線なんぞに来られたのですかっ」
涙ながらに宵は言った。
敦盛は最後方の陣営で待機していたはず。
「そなた……守る…ため…」
敦盛の手が震えながら宵の頬を掠めた。
トサッ
触れかけた腕は無情な音を立て、落ちてゆく。
もはや敦盛に目を開ける力をも残って居なかった。
「俺を…守る為ー?」
「宵…愛していた…」
敦盛の瞼から一筋の涙が流れる。
うっすらと笑みを残し。
敦盛は息を引き取った。
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