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「…敦盛ぃーッッッ!!!!」
戦場は恐ろしいくらい静寂に包まれ、誰もが中心の二人を見ていた。
止まらない涙。
次第に冷たくなる頬に顔を寄せ合い、きつく強く抱きしめた。
ー敦盛。
只の一度も感謝の意を伝えられなかった。
貴方に何ひとつ返せないまま。
地位も御恩も愛さえもー
貴方の為なら此の命など惜しくはなかったのに。
あぁどうしてー。
もっと貴方の傍に居たかった。
もっと愛したかった。
もっとー…
とめどない想いは涙となって溢れ出る。
嗚呼…
貴方を只、愛していた。
宵は血に塗れた愛しき人を抱いて、泣いた。
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