転機

5/8
前へ
/116ページ
次へ
宵は小さい頃から武道の嗜みがあった。 それと共に演舞も習った。 ー幼き頃に習っただけだが何も出来ぬよりはましだろう… 通された部屋には目付…将軍の監視役と思われる人物が数人居た。 「そなた、名は何と申す」 「宵…宵月(よいづき)と申します。」 「では宵月よ、舞を納めい!」 パチンと扇子を打つと、笛の音色が鳴り響く。 宵は軽く会釈すると悠々と舞を披露した。 長い漆黒の髪を揺らして、美しく舞い踊る。 まるで天女のように。 見ていた者達はただ呆然と宵に魅入るだけだった。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1307人が本棚に入れています
本棚に追加