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宵は小さい頃から武道の嗜みがあった。
それと共に演舞も習った。
ー幼き頃に習っただけだが何も出来ぬよりはましだろう…
通された部屋には目付…将軍の監視役と思われる人物が数人居た。
「そなた、名は何と申す」
「宵…宵月(よいづき)と申します。」
「では宵月よ、舞を納めい!」
パチンと扇子を打つと、笛の音色が鳴り響く。
宵は軽く会釈すると悠々と舞を披露した。
長い漆黒の髪を揺らして、美しく舞い踊る。
まるで天女のように。
見ていた者達はただ呆然と宵に魅入るだけだった。
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