転機

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城内で宵の事は、瞬く間に噂になった。 これならば敦盛の耳に入るのも近いだろう。 ー何とかして泉水に伝えないと… 既に鷺沼城専属の芸妓となった宵は部屋を貰っていた。 優遇されてはいるが、外部との接触は皆無だった。 「泉水…」 勾玉を握りしめ切なく呟く。 コンッ。 その時、壁に小石の当たる音がした。 「何奴っ」 太腿に隠し持った短刀に手を掛ける。 「声を潜めろ、宵」
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