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そして戸張公は晩年、病の床で兼松に当主の座を譲った。
しかし兼松は宵の立場を考え、宵が元服するまでと決めていた。
宵には黙っていたが…
兼松は無邪気に自分を兄と慕う宵に想いを寄せていた。
それは家族愛でもあり兄弟愛でもあり、恋慕の情でもあった。
兼松はもう五所河原家を捨て、宵の為に戸張に尽くしたい気持ちだった。
そんな折、敦盛らが父・五所河原光國が不可侵条約を破り戸張に攻め込んで来た。
それは嫡子、兼松を取り返す為だった。
敦盛は兄を奪還するため、襲撃部隊とは別に動いていた。
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