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「宵、面を上げよ」
涙を拭い、一番気掛かりな事を尋ねる。
「俺をどうするんだ?」
「そなたが嫌でなければ変わらず正室で居てもらう。まぁ嫌でも手放しはしないがな」
「敦盛様…」
「敦盛でよい」
敦盛の腕の中で優しく抱きしめられた。
あの時感じた温もりは、敦盛から伝わる優しさだったんだ。
兄を失ってもその兄の遺言を守り、敵を受け入れてくれた寛大な敦盛。
そして今、此処で敦盛に抱きしめてもらえるのは兄上が命を懸けて護ってくれたからー
宵は心の中で強く深く、二人に感謝した。
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