もう一つの姿

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宵は敦盛との話を菊水に伝えると、それは泉水の耳にも入った。 最初は釈然としない様子だったが、宵の為ならばと泉水も渋々従ってくれた。 「兄貴は内心は悔しんでるんだよ。宵が取られてさ」 「泉水の助けが無ければ俺は無かった。それは感謝しているが敦盛にも恩がある。」 「兄貴はああ見えて頑固者だからね。意地なだけさ。ただ宵を想う気持ちは本当だよ。あたしもね。」 菊水と二人で話していると奥の襖が開いた。 「宵姫様、将軍殿が御呼びです」 「今参ります」 その日、俺は敦盛のもう一つの姿を知る事となる。
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