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「宵、本日は余に付き合え。」
敦盛はいつもの着物姿でなく庶民のような小袖を着ていた。
「かしこまりました」
てっきり俺は鷹狩りにでも行くのかと思った。
「宵もその格好では目立ち過ぎるな。何か他に着物はあるか?」
「あ、納屋にございます」
「では着替えて参れ。出来れば男装でな」
宵は隠密の装束に着替え、裏門から屋根伝いに城外へと抜けた。
宵は元々小柄な体格の上、身体能力が優れていた。
人並外れた跳躍力で屋根に飛び移るのなどお手の物だった。
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