もう一つの姿

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「敦盛は籠車か?」 見渡すとまだ敦盛の姿は無い。 恐らく家来連れで来るであろう敦盛を迎えに、門へ向かうと背後から水音がした。 「敦盛様っ?!」 そこには外掘からはい上がる敦盛がいた。 宵は慌てて手を貸す。 「ずぶ濡れではありませぬか!」 「城の者に見つかっては厄介だからな。さ、先を急ぐぞ」 「敦盛様、何処へ?」 「余が国を守るために必要な事だ」 敦盛はにやりと笑うと山道へと進んだ。
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