もう一つの姿

8/10
前へ
/116ページ
次へ
「宵、大丈夫か?」 宵はただ民衆に圧倒されていた。 「将軍殿、その美しい方はどなたじゃ?」 「こやつか?此奴は余の嫁じゃ」 「こりゃまた大層美しい」 「まるで狐が化けたようじゃ」 村人達は微塵にも宵が男だと気づかない様子だった。 ー化粧も鬘もしていないのに皆、気付かぬのか… 「そうだろう?優しくて美しい自慢の嫁じゃ!」 「もう、おやめください敦盛様!」 「「はははは」」 俺達は村人に飯をご馳走になると村を後にした。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1307人が本棚に入れています
本棚に追加