別れの日

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規則正しく鳴り響く音と呪文のように唱えられていくお経。周りでは微かに啜り泣く声や哀れみの目。 7月4日僕の祖父の葬儀が行われた。 青空の下、僕は祖父が僕に書いてくれた手紙を読み蔵に行くことにした。 祖父の手紙にはとても綺麗な字で『奏よ。蔵の一番奥の棚に鞄が置いてある、私が父親から譲り受けたものだお前にそれを託す。奏よお前ならきっと彼女の願いを叶えることができるじゃろう。奏何があってもくじけてはならぬ。お前は一人ではない』 と書かれてあった。 彼女とかはよくわからなかったけれど、おじいちゃんがとても大切にしていたものをくれるということはわかった。だから蔵にいって鞄を探すことにした。 二階建ての蔵でかなり古風だ。よく時代劇とかで使われている。 一階は書物しか置いていない、そのため、二階の一番奥に行くことにした。 階段を上がり薄暗い床を歩いていく。キシキシと床が軋む音が鳴り響く。 「あった。」 一番奥のほうに進むと棚がある。そのうえには結構大きいトランクがある。灰色の鞄に中心の所に翼の模様がある。 奏はそれをそっと下に降ろす。 そして、鞄の鍵をカチカチと外し開ける。
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