別れの日

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鞄をあけると子供サイズくらいの綺麗な人形が眠るように横たわっていた。 僕はその人形を持ち上げた。 銀色の腰につくくらいの長い髪横髪の一部を後ろに持っていき蒼いリボンで結ばれている。 碧い美しいドレスに包まれていてまるで生きた人間のようだ。しかし人形の目は閉じられていて眠っているようにも見える。 僕は再び人形を鞄の中に直して鞄を持ち自分の部屋に戻る 僕は部屋にもどると先ほどの鞄を机の横に置く。それと同時に下から母が僕を呼ぶ声がする。僕はその声に返事をして下に降りる。 「何?」 リビングに行くと慌ただしく出かける準備をしている父と母の姿がある。 僕の両親は超一流ブランド『Feather』という洋服を売り出している。父が社長で母がデザイナー兼モデルをしている。 「ごめんね~。奏また仕事が入ったの。」 幼い子供のような声で幼い顔つきの母が困ったような顔で謝る。
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