日輪は蒼く輝く 一章

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       二  朝餉の時、利広は父に蒼黎と出かける旨を伝えた。「今日は蒼黎を連れて出かけて来ます。前々から連れて行きたいところがあったので」 「分かった。気を付けて行ってきなさい。お前はいいから蒼黎に怪我をさせるなよ」 「・・・は、はい」  先進は遅れて帰ってきた返事にを少し不審に思ったがそれ以上は追求しないことにした。まさか利広がその言葉とは正反対のことをするつもりでいるとは露程も思わなかったから。  朝餉の後、利広は支度を調えると、蒼黎の堂室へ向かったが、蒼黎は堂室には居なかった。 どこに行ったのだろうと思い、走廊を歩いていると、庭園から子どもの楽しそうな声が響いてきた。 「ここにいたのか。準備は出来たのかい?」 「じゅんび?なんの?」 「出かけるんだろ。それの準備だよ」 「あー!!すぐするーー」 そういうと、自分の堂室へ走っていった。その後を、利広が微笑みを湛えた顔でゆっくりと歩いて行った。 「なにをもっていったらいいー?」 「身の回りの物と、大切な物をだよ」 「はーい」  しばらく堂室の中をごそごそしていたかと思うと、ぱんぱんにふくらんだ行李を持って出てきた。 「騎獣に乗って行くよ。乗ったことないだろう?」 「ほんとー?どんなの?」「吉量だよ」 「きつりょう?」 「馬だよ」 「うまーー!!はやくいこうーー!!」  そう言って利広を厩の方へと引っ張っていった。  利広も優しく笑いながら蒼黎に引っ張られて厩へと向かった。
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