満月の夜はあの野原で

出会っちゃった

あたしはお月様大好き。
真ん丸な満月が１番きれいで素敵なの。光の下でうっとり見とれちゃうの。
この前の満月の夜にあたしはどうしてもお月様とお話がしたくて追い掛けたの。どんどん夢中で追い掛けたの。もう、どこをどう走ったかなんてわかんない。

『わあ！すごいすすき！』
思わず声が出ちゃうくらい一面のすすき野原が目の前に広がって、月の光を浴びて風に吹かれて。
『なんて！なんて･････』
その時あたしの目の前に、月の光の色をした狐が立っていたの。
その狐は『月牙』って言った。一緒にお月様を眺めたの。とっても優しい時間だったの。