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また今夜も満月。いつもの様に僕はすすき野原に向かった。
いつもの様に、そうしながらも僕の心の片隅には、前の満月の晩に出会った子猫の瞳が残っていた。
この前は偶然迷い込んで来ただけだから、もう二度とは出会うわけがない。
それに僕は狐、仮にもお月様に仕える一族にいる身で、たかが猫ごときに・・・・・
『こんばんは。』
『おっお前はこの間の!』
目の前に子猫がいる!ちょっと待て!何してるんだ!
『お月様を月牙と一緒に、このすすき野原で見たかったの。だから今夜頑張って走って来たの。』
『ルナ、だからってここは狐の聖なるすすき野原だ。お前は猫族、簡単に入られても・・・・・・』
ルナは瞳をうるうるさせて
『月牙はルナとお月様を見るのが嫌なの?』
おい、それは反則って言わないか!
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