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B「ねぇ、宇宙って無辺際だと思う?」
A「いきなり何さ?」
B「ちょっと疑問に思ったの。質量保存の法則って知ってる?」
A「あぁ、勿論。化学の時間でやったやつだね。物質の質量は反応の前後で変わらないとかいった内容だったっけ?」
B「そ。つまり物質は無から作り出す事は不可」
A「常識だよ。何が言いたいんだい?」
B「私たちは有。無から生み出される事は不可。つまり宇宙は誕生がないってこと」
A「誕生がない?意味が分からないよ」
B「だってそうじゃない。無から作り出される物質がないならば、何もないところから宇宙が作られる事は不可。即ち宇宙は大昔、うぅん、ずっとあって消える事はないの」
A「なるほど。誕生とビッグバンは違うって事?」
B「珍しく頭の回転が早いじゃない。誕生とは無から生み出される事。ビッグバンとは爆発。つまりビッグバン前に宇宙はあったのよ。宇宙は見えないかのように思われて実は物凄い小さかった。それが爆発して現在の宇宙になった」
A「確かにそう考えると面白いね。ビッグクランチも同じような事かな」
B「そうよ。ビッグクランチ即ち宇宙の収縮も限り無く小さくなるけど、宇宙はあるの」
A「じゃあ一つ質問、良いかな?」
B「何?」
A「宇宙は膨張、収縮を繰り返すという説だと宇宙の大きさは変わるよね?じゃあ宇宙の外の大きさも変わるのかな?」
B「う~ん…難しい問いね。物理上、宇宙が膨張する時宇宙の外側の空間は圧縮されてゆき、宇宙が収縮する時宇宙の外側の空間は広げられてゆくわね」
A「つまり宇宙の外側には“空間がある”という事かい?」
B「多分」
A「じゃあ宇宙の果てとは単なる壁だね。そして果てが消え失せた時宇宙は忽ちにして大きさという概念を失い、そして消滅する」
B「あれれ?確かに。じゃあ宇宙の外側には空間は無いのかな?」
A「流れからするとそう考えるのが普通だろう。宇宙は膨張する時空間を作りながら膨張し、収縮する時空間を消しながら収縮。けれども空間も物質の一じゃないのか?これでは質量保存の法則が矛盾する」
B「……頭が混乱してきた…。話題を変えましょう」
A「お前から持ち掛けた話だろ」
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