14人が本棚に入れています
本棚に追加
ミクレチアを殺めて、自分の物にしてしまえば、僕はそれできっと満足するはずだった。
だけど、ミクレチアが居ないこの世界など、僕には何の意味も無い。
「…ミクレチア」
『カイザレお兄様』
「ミクレチア…ッ!!」
僕の名を呼んでくれ。
君の鈴のような声で
そして、君のその美しく煌く瞳に僕を写してくれ
涙が頬を伝う
けれど、いくら泣いたところでミクレチア僕の元へ返ってはこない
思い切り目を瞑り嗚咽交じりに声が洩れた。
「私を捕まえて、カイザレお兄様」
ポツリとミクレチアの声が聞こえた。
と同時に僕の手が思い切り引かれ、ミクレチアの上へと倒れこんだ。
最初のコメントを投稿しよう!