カンタレラ

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      宵に何度ミクレチアの部屋へ侵入したのか等もう覚え切れていない。 声もかけず、ただ眠るミクレチアのそばへと近づき、寝台の下へと膝を立て、ミクレチアの寝顔を覗き込んだ。 そして、眠るミクレチアの口元へとそっと自分の顔を重ねようとした。 「…カイザレお兄様…」 寝言だとは分かっていても、急に声をかけられた事で身体がこわばってしまった。 ミクレチアの唇の寸前で僕の動きが停止した。 「……」 この吐息を感じる距離でさえ、僕の全てが痺れてしまう。 寝息が聞こえ、その呼吸音を耳に刻みつけミクレチアの部屋を去った。  
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