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「ミクレチア、良いワインを手に入れた、少し…飲んでみないか?」
「いいんですか?カイザレお兄様…私にはまだ早いって、仰っていたのに…」
「良いんだ、偶には少しだけでもと思ったんだ」
そういってワイングラスに『カンタレラ』が入ったワインを注ぎ込んだ。
「まぁ綺麗な色、お兄様、本当に飲んでも良ろしいのですか?」
目を輝かせてミクレチアは僕に問うが、僕は只頷きそっとグラスをミクレチアに差し出した。
ミクレチアはそれを両手で恭しく受け取ると、ゆっくりと微笑んだ。
「ではいただきますね」
そういってミクレチアがグラスを唇につけ、傾ける。
血色の液体がすぅっとミクレチアの咥内へと消えていった。
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