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もうこんな学校やだ、心情的にはブルーを超えてピンクに達してしまいそうなオレにポマードは右足を引きずりながらも素早いフットワークをとりながらこう言う。
「ワタシ前世ガ、トランクス、ブリーフ、マワシダッタッテコトマデワオボエテルヨ!」
知らねぇよ。なんでお前、男性用下着の輪廻転生から抜け出してきたんだよ。
「分かったから反復横飛びしながら近寄ってくんな」
「アババババババババ!」
うぜぇ…。
左右に移動し続けるポマードの動きは更に加速し、残像さえ見える。ここまでオレに殺意を感じさせたのはお前が初めてだよ、と引きずっていない方の右足に手を伸ばした時シャンプーのいい香りが鼻腔をくすぐった。それと同時に女の子の声がオレを呼ぶ。
「何してるのマルコ君?」
黒野さんだ、黒野さんが手で口元を押さえて不思議そうにこちらを見ている。軽蔑かなぁ?軽蔑の視線かなぁ…フヒヒ^ ^
「どうぞ僕をお踏みくだしゃあ^ ^…じゃなくて黒野さんこそ何やってんの?」
ここは生徒指導室の目の前、普通の生徒…ましてや黒野さんのような優秀な生徒が来るとはこれいかに。
「ええ~、いくらマルコ君でも言えないよ~」
「ブルアアアアアア!!女子ワダマッテロヨ!!」
「そんな事言わずにさぁ」
「モルスァ!」
「ダ~メっ、秘密♪」
黒野さんは口元に人差し指を当ててそう言った。結局、オレの問いには答えてくれなかったが変わりに黒野さんはなかなかのスルースキルを持っている事が分かった。
「じゃあねマルコ君」
黒野さんは軽く手を振った後、生徒指導室のドアに手を掛けたがその様子をじっと見ていたオレの方を急に振り向いた。
「い…今から内緒のお話するけど聞き耳たてたりしたら許さないんだから///」
オレの行動を読んだ黒野さんは本当に恥ずかしそうに紅潮した頬を膨らまして言ってきた。何故かオレにも伝わってきて思わずこちらも言葉足らずな返事で返してしまう。
「あぁ、うん…///」
「約束だよ?」
ずぎゅ―――――└(^o^ )┐―――――ん
なっ…!上目遣いっ…だと!
龍が背中を走った感覚に襲われていると黒野さんはいつの間にか生徒指導室の中に姿を消してしまっていた。
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