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君がそばに
いたあの時に
戻れるなら
なんでもしよう
†君がため、惜しからざりし命さへ
空に浮かぶ下弦の月。
綺麗に半分欠けたその月は、まるで今の自分達みたいで、正直嫌いだ。
「…遅うなってごめんなァ」
「別に構わねぇよ」
誰一人居ない十番隊執務室。
先刻までは自分一人だった此処に、霊圧の揺れ一つ無く現れた市丸の影。
「…なぁ、市丸は…俺の事嫌い?」
「何言って…」
突然の言葉に戸惑いを隠せない市丸の、白い死覇装にそっと腕を回す。
市丸が、尸魂界を裏切ると言う最悪の結末と共に自分の元を去って三週間。
主犯格の藍染と共に虚圏に消えたコイツは、毎日の様に人気の無くなるこの時間帯に此処にやって来る。
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