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(【アルガルト学園】…世界に5つある魔法学園の中で最も有名な学園。現在の校長は二代目で実力はギルドレベル【ホワイト】と同等と噂される程の実力者である…ですか)
レオはガイドブックを読みながら歩いていた。
服装は黒いローブのままだ。
(ホワイトと同等なら組織に欲しい人材ですね…ですが、名前など個人情報が記されていないのは何故でしょう…ん?国王直轄組織【トライデント】からの勧誘拒否した過去がありますか…前に総長が勧誘したのでしょうか?まぁ総長の性格等を考えると拒否したくなるのも解りますがね)
苦笑いをしながら歩いていると、突然背中に何かがぶつかった。
「ん?」
振り返るとそこには、これから行く学園の制服を着た女子生徒がしりもちついていた。
「あぁ…すいません。お怪我はありませんか?」
レオは慌て手を差し、彼女がその手を掴むのを確認するとゆっくりと引き、立ち上がる手助けをする。
「有り難うございます。そして御免なさい」
彼女は立ち上がると同時に頭を下げ、レオが着ているローブを恐る恐る指差した。
「何か付いてるのですか?…!!」
ローブの背中の部分を見ると、一部だけ真っ白になっているのが目に入った。
そして、彼女の空いている方の手を見ると、変わり果てた姿のソフトクリームらしき物が握られていた。
ピシッ
レオの中で何かにヒビが入る音がした。
「こっ、これぐらい大丈夫ですよ」
ひきつった笑顔で答えると、彼女は顔をあげ、もう一度頭を下げてから走り出そうとしたが、何かに躓きまたしてもレオにぶつかった。
その瞬間、レオの顔から笑みが消え、何かを言おうと口を開いたが、彼女は直ぐにレオから離れ、遅刻してしまうので失礼します、と顔を赤らめながら言い残し走り去ってしまった。
「どうすれば良いんですか…これ…私も遅刻しそうなんですが…」
レオのローブには新たに、くっきりと白い汚れが付けられていた。
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