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(無駄な魔力を使ってしまいましたね…)
レオは眉間にシワを寄せながら呟いた。
レオは、あの後一度自宅に戻ってから、着替えて来たのだ。
なので、今は黒いスーツを着ている。
現在レオはアルガルト学園の校門前に立っていて、次々と隣を通って行く生徒達を数えると大体200人は通り過ぎたていたのだ。
(あっ、そう言えば何処に向かえば良いのでしょうか?まぁきっと全ての事情を知っている学園長の所でしょう)
レオは目的の場所を決めると、丁度、隣を通った金髪の男子生徒を引き留めた。
「突然引き留めてすいません…私、学園長室へ行きたいのですが、場所を教えて頂けませんか?出来れば連れて行って欲しいのですが…」
レオは丁寧に頭を下げ、微笑んだ。
その笑顔は“連れていけ”とほぼ命令に近い意味が含まれていた。
「どうせ転入生だろ?連れて行ってやるよ着いてこいよ」
男子生徒は笑顔の意味を理解したのか、快く承諾し手招きをして歩き始めた。
「着いたぞ」
「ありがとうございました」
「まぁ、お安いご用さ。じゃな転入生」
歩き始めてから間もなくして、学園長室に到着し、レオが軽くお辞儀すると、少年は恥ずかしそうに微笑んでから歩いて来た道をまた戻り出した。
(見掛けによらず良い生徒でしたね)
レオは微笑むと、自分の両頬を軽く叩くと深呼吸を始め、そして、微笑みから真剣な表情に変え、木製の学園長室のドアを二度ノックした。
「どうぞ」
中から男の返事が聞こえた。
「失礼します」
レオはドアを開けると、一度礼をしてから中に入った。
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