†第一章†

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中に入って目に写るのは、書類の山ばかり。 一つ一つの山は身長が約175センチ程あるレオと同じ位の高さがある。 だが、辛うじて学園長の机は見えるのだが、肝心の学園長の姿が見当たらない。 「どこに居るのですか?」 「ここだよ。取り敢えず助けてくれないかな?」 声がした方を見れば、書類の山を基礎に数えきれない程の書物、本棚が重なって出来た特大の山があった。 「汝、在るべき場所へと戻れ【時間回帰】」 レオが指を鳴らすと、書物等はまるで何事も無かったかの様に整理された。 出てきたのは茶色で白髪混じりの髪をした男で、仰向けに倒れていた。 その男の顔は 「総長と同じ顔?」 そう、男は傷は無いもののそれ以外は完璧にクロスと同じなのだ。 「あれ?聞いてなかったのかい?僕はマルクス、クロス兄さんとは双子なんだよ」 マルクスは腹部を抑えながら立ち上がり、ふらついた足取りで机へと近寄り椅子に座った。 「取り敢えず、適当に座っ…って座れないね」 客人用のソファーは書類と言う名の客が全て占領していた。 「立ったままで大丈夫です」 「そうか、すまないね。では改めて……私がアルガルト学園の学園長のマルクスだ。クロス君、我が学園へようこそ!!」 部屋の空気が、和やかな空気から真剣で重たい空気へと一瞬にして変わった。 レオはそれを感じ取って、まるで玩具を与えられた子供の様な笑顔に自然となる。 (やはり、双子なだけあって私を楽しませてくれそうですね)
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