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中に入って目に写るのは、書類の山ばかり。
一つ一つの山は身長が約175センチ程あるレオと同じ位の高さがある。
だが、辛うじて学園長の机は見えるのだが、肝心の学園長の姿が見当たらない。
「どこに居るのですか?」
「ここだよ。取り敢えず助けてくれないかな?」
声がした方を見れば、書類の山を基礎に数えきれない程の書物、本棚が重なって出来た特大の山があった。
「汝、在るべき場所へと戻れ【時間回帰】」
レオが指を鳴らすと、書物等はまるで何事も無かったかの様に整理された。
出てきたのは茶色で白髪混じりの髪をした男で、仰向けに倒れていた。
その男の顔は
「総長と同じ顔?」
そう、男は傷は無いもののそれ以外は完璧にクロスと同じなのだ。
「あれ?聞いてなかったのかい?僕はマルクス、クロス兄さんとは双子なんだよ」
マルクスは腹部を抑えながら立ち上がり、ふらついた足取りで机へと近寄り椅子に座った。
「取り敢えず、適当に座っ…って座れないね」
客人用のソファーは書類と言う名の客が全て占領していた。
「立ったままで大丈夫です」
「そうか、すまないね。では改めて……私がアルガルト学園の学園長のマルクスだ。クロス君、我が学園へようこそ!!」
部屋の空気が、和やかな空気から真剣で重たい空気へと一瞬にして変わった。
レオはそれを感じ取って、まるで玩具を与えられた子供の様な笑顔に自然となる。
(やはり、双子なだけあって私を楽しませてくれそうですね)
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