†第一章†

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倒れていくアルバート魔導師の後ろには白いローブを着ている黒髪の女性が立っていて、その手には刃渡り30cm程のナイフが握られていた。 「マリア…殺害命令が出ていたとはいえ、精神的に殺すのはどうかと思いますよ?」 黒いローブを着た人物は完全に床に倒れて口から泡を出しているアルバート魔導師を見下ろしながら言った。 どうやら女性の名前はマリアと言うらしい。 「ん~新しい魔法を試したくてね、レオだってたまに試すんだから良いじゃん」 マリアはナイフを袖にしまうと、アルバート魔導師の状態を見て呟き始めた。 「うっ…まぁ済んだ事は仕方ないですからね。早く本部に帰って報告しますよ?私は早く寝たいのですから」 レオと呼ばれた黒いローブの人物は一度溜め息を吐き出し、魔力を練り始めた。 「置いてかないで!!」 呟いていたマリアはレオが魔力を練り始めたのに気が付くと、直ぐに近付きレオの袖を握り目を閉じた。 「では戻りますか。【転移】」
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