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今現在、レオとマリアは部屋で赤い絨毯の上に正座させられている。
そんな二人の前には腰に左手を当て、右手に竹刀を持った男が立っていた。
その男の右頬に大きな切り傷があり、まるで鬼の様な表情をしている。
「さて、二人共…何故正座してもらってるか分かるか?」
男は竹刀で肩を叩きながら二人を見下ろす。
その姿を見て2人は小刻みに震え始めた。
蛇に睨まれた蛙といった表現が一番適しているだろう。
「マリアは分かりますが、私が正座させられる理由がわかりません」
レオが首を横に振った瞬間、頭に竹刀が降り下ろされた。
鈍器で殴った様な鈍い音が部屋の中に響く。
「わからないだと?今回の任務内容を言ってみろ」
「アルバート魔導師及び、共犯者等を迅速に逮捕。連行拒否のの場合はその場で刑を執行して良し、尚被害は最小限に抑える事…ですね」
言い終えると同時に、またしてもレオの頭に衝撃が走る。
「お前達は確かに早かった、任務を言い渡してまだ30分も経ってない…でもな?屋敷の人間の三分の二が重症ってどういう事だ?メイド達は恐怖で少しの物音で狂う程の精神不安定になっているし、犯人のアルバートはまるで人形の様じゃないか!!」
「メイド達は私のせいではありません、あの人達の精神が弱すぎる「メイド達は訓練されていない一般人だ!!」
レオの頭に3度目の衝撃が与えられた。
「それに俺が言ったのは処罰じゃない、抵抗するようなら大事に至らない程度までの攻撃を許すだ!!」
初めてマリアの頭に竹刀が降り下ろされた。
「痛い…」
マリアは頭を押さえて起き上がった。
何故ならマリアは気が付けば正座ではなく、床に横になって熟睡していたからだ。
「まぁ過ぎた事を言っても仕方無い…マリアは部屋に戻っていぞ。レオには次の任務があるから説明する」
マリアはそれを聞いた瞬間、まるで風の様に部屋を飛び出した。
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