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「なるほど、そりゃ相性悪いわけね。でもうちのは悪さなんて、酒類ちょろまかす程度だから。たたっ斬るのは勘弁して頂戴。」
拳骨で十分よ、というと霊夢は何やら書き始めた。
「そ、それだけ?」
居候がたたっ斬られそうになったというのに、淡白すぎる気がした。
「それだけ。考えてもみなさい。神社ぶっこわした様な奴らが今じゃ仲良く宴会する場所よ?相性悪い程度、明日には酒飲み友達よ」
はいこれ、と軽く包んだ書状を橙に渡すと、霊夢は本殿へと歩き始めた。
「あ、ちょっ、霊夢!なにこれ!」
「何って紹介状。私は夜の仕事までやることがあるから、紅魔館でもいけばいいと思って。」
じゃ、頑張ってと言い残して霊夢は本当に去っていった。
「達観したというか何というか。不思議な巫女殿ですね………って橙さん?」
次の行き先に怯えた橙が尋常じゃないくらい震えていたのは言うまでもない。
指定された行き先は紅魔館。
紅い魔物が住む館だった。
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