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「それで紅魔館とはそれほど恐ろしい場所なのですか?」 隠しても尻尾が当社比二倍な橙である。 耳より目より態度より、その尻尾が全てを物語っていた。 「私は会ったこと無いけど、怖い吸血鬼とか魔女とかメイドがいるって藍さまが……」 赤の方も納得したような顔をしてから、ん?と首を傾げた。 「吸血鬼と魔女はわかります。ですが、怖い、メイド?」 「うん。時間を止めたり血を噴いたりするって藍さまが……」 血を噴く、と呟いた赤は何となく納得した。 確かに怖い。 むしろ吸血鬼より怖いかもしれない。スプラッタだ。ゾンビメイドかもしれない。 二人で身震いしていると、それは高速で飛来した。 地鳴り一発、赤達の前に着地したそれは、羽をピコピコ動かしてこう言った。 「どうも!貴女が外からやってきた新紅白さんで間違いないですかっ?」
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