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「わ、私たちはいまから紅魔館に!」 「それでは手短に。お名前は……さっき伺いましたから八雲紫さんとのご関係を。」 水を得た魚、ネタを得た射命丸。 橙のわずかな抵抗もさらりと流される。 「い、一応ここでは紫様の式として扱われていますが……」 「なるほどなるほど。次に服装からみて博麗大社辺りとご関係が?」 「関係も何も先程初めて……」 「ふむふむ」 流石射命丸。一も聞かずに十にすると言っても過言どころか過小評価。 メモ帳に書きなぐられた字は、明らかに受け答えのそれより多い。 「それでは記念に一枚。……はいご協力ありがとうございます!それでは私は記事を書きに戻りますのでっ」 さようならーとドップラー効果を残しながら射命丸は去っていった。 「……嵐のような人でしたね……」 「……うん、射命丸だし。台風とか天災だと思ってやり過ごすのが一番だよ……」 二人はそろって遠い目で、射命丸が飛び去った方向をみた。 空にとてもいい笑顔の射命丸が見えた気がした。
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