38人が本棚に入れています
本棚に追加
「暇ねえ」
マヨヒガの主、八雲紫の呟きは小さいが八雲藍を戦慄させるには十分すぎた。
「人はさらいませんよ?」
「別に良いわよ。顕界から適当に何か拾って遊ぶから。」
そういうと、紫は自ら作ったスキマに手を差し込み、手探りで何かを探し始める。
「何がでるかな、何がでるかな♪」
マヨヒガの主は俗世間にかなり毒されていた。
「ぬるぬるする、パス。冷たすぎ。こっちは熱すぎ。……ん、これなんてどうかしら、と!」
スキマの中をさまよった手がつかみあげたのは、何とも立派な大太刀だった。
最初のコメントを投稿しよう!