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「暇ねえ」 マヨヒガの主、八雲紫の呟きは小さいが八雲藍を戦慄させるには十分すぎた。 「人はさらいませんよ?」 「別に良いわよ。顕界から適当に何か拾って遊ぶから。」 そういうと、紫は自ら作ったスキマに手を差し込み、手探りで何かを探し始める。 「何がでるかな、何がでるかな♪」 マヨヒガの主は俗世間にかなり毒されていた。 「ぬるぬるする、パス。冷たすぎ。こっちは熱すぎ。……ん、これなんてどうかしら、と!」 スキマの中をさまよった手がつかみあげたのは、何とも立派な大太刀だった。
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