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「すみません!本当になんとお詫びしていいやらっ!」
主の制止を受けて、赤と橙が紫の式であり幽々子の客人だと知ると、妖夢は土下座せん勢いで頭を下げた。
「そんなに謝らなくても、教えてなかった私達もわるいんだから~」
「そうね。赤に書状の一つでも持たせればよかったわ」
「……貴女達はもっと全身全霊を使う感じで詫びてください」
主に私と赤さんに、と付け加える少女。
「別にいいじゃない。間に合ったんだし」
「そうね。幽々子の言う通りだわ。というか勝手にドンパチ始めた貴女達にも非はあるんじゃなくて?」
赤の主である八雲紫の友人、西行寺幽々子。その従者である魂魄妖夢。
「それを言われると……」
「まぁ、お役目なわけですからね…」
赤と妖夢は二人ともクソ真面目なので、そう言われてしまうと弱い。
というよりも主二人が真面目人間をからかうのに長けているだけなのだが。
「それで、赤はそこの庭師さんに用事があってきたのよね?」
橙が駆け込んできた時はどうしたものかと思ったわ、とお茶をすすりながら紫は言った。
「私に、ですか?」
「ええ、人里で上白沢殿から刀剣に関してなら扱う者に聞けば分かるのではないかと。」
書状を手渡し、赤は自分の分身である刀の結い紐を外す。
「では幽々子様……」
「私は紫とお話があるから、好きなお部屋を使っていいわ~」
はっと頭を垂れ、妖夢は障子戸を開けた。
「こちらの部屋で詳しいお話をしましょうか、赤さん」
妖夢に促され、赤は廊下へと歩き出す。
「……何か企んでないですか?」「紫様」「幽々子様」
「「ううん、ぜ~んぜん♪」」
二人の従者が物凄く不安になったのは言うまでもない。
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