2/3
前へ
/83ページ
次へ
「……それで、貴女は誰なのかしら?」 先ほどの音の後、マヨヒガには奇妙な乱入者が舞い込んでいた。 髪は赤く、左右に水晶の様な髪飾りを付けた、腰まで届く長髪。 服装も神社で見かけるような緋袴。 ただ、巫女と一線をかくすのは、綺麗に飾り彫りをされた黒金の鉢金。 それは彼女が戦いに赴く者である事を象徴していた。 「見たところ人間ではないわね?妖かしが一体……」 「取りあえず、私の本体を返してくれませんか?話とお詫びはその後でいくらでもしますので。」 赤い少女は紫の言葉を遮ってそう言った。 その目線の先には先程の刀。 「私、その剣の精霊なんですよ」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加