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【綾部という男】
カーン…
「おい、喜八郎。次は移動だ。起きろっ」
「ん…滝、何…?」
「化学で移動だっ!教科書はどうした?」
「ない…滝ちゃん貸してよ。」
「私が使うに決まっているだろう!…はぁ、三木とかに借りてこい。」
「はぁーい。」
「みーきぃー…教科書かして。」
「…またか。今度はなんだ…?」
「化学。」
「…綾部、それは一昨日お前に貸したはずだぞ…。」
「…おやまぁ。」
「おやまぁ。じゃない!僕だって明日必要なんだぞ!」
「タカ丸さん持ってるかな…。」
「聞けよ!」
「三木は滝に借りればいいよ。」
「返す気無しかよ!」
「どこかいっちゃったんだもの。」
「もういい…!後でお前の部屋に取りにいくからな!忘れるなよ!」
「覚えてたらね。」
「綾部っ!!」
「ただいま滝ちゃん。」
「随分時間がかかったな。何かあったのか?」
「三木持ってなかった。タカ丸さんに借りた。」
「そうか。三木は持ち帰ってたのか?」
「ううん、私が借りたまま返し忘れてたみたい。」
「一昨日のまだ返してなかったのか!?」
「うっかり。」
忘れ物大王 綾部。
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