第一章 日常 覚醒へ

8/21
前へ
/25ページ
次へ
《バレッタ》やれやれといった具合に言った。 『赤城雄也、少しは落ち着いて貰おうか??君がそんなんじゃ私は話すに話せないじゃないか、君は今の状況が知りたいんだろ??知りたいんだったら落ち着け』 「はぁ!?落ち着けったってこんな訳がわからない事になって、誰が落ち着いてられるっていうんだよ!?」 雄也は先ほどから突如現れた得体の知れない相手が自分を知り、話してくる、その上まったく知らない土地にいるのだ。 混乱しないほうがおかしかった。 『……雄也、私の話は聞こえてるようだから要点をまとめて言う』 「おい!!俺の言うことに答えろよ!!」 雄也は自分の話をまったく聞いていない《バレッタ》にボルテージが上がるいっぽうだった。 『黙れと言うのが聞こえないのか!!餓鬼!!』 「ッ!!!?」 雄也は突然発せられた怒声にビクッと驚き、先程まで噴火のごとく吹き上がっていた怒りが、鎮静化していった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加