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美樹
『…悪かったな。』
そう言うと美樹は教室から出て行った。
美樹がいなくなった教室は、溝口にとってやっとまともな授業を受けられるような雰囲気なったようだ。
溝口は教壇へ戻り授業を再開しようと教科書を開いた時…
咲枝
『先生…私も早退して良いですか…?』
窓際の最後列の席…
静かに立ち上がった女の子。
椿 咲枝だ…。
彼女は美樹の幼なじみで、学校でも一緒にいる事が多い。
恐らく早退する理由は美樹に着いて行くためだろう。
溝口
『椿…?どうした?』
咲枝
『いえ…朝から体調が悪くて…。』
溝口
『そうか…それなら早退の事は君津先生には伝えておくから、帰ってゆっくり休みなさい。』
溝口がそう言った後、咲枝は鞄を手に取ってそそくさと教室を出て行く。
溝口が美樹に言い放った一言…。
これから美樹に起こる出来事の引き金になってしまうのだった…。
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