736人が本棚に入れています
本棚に追加
私たちが知り合ったきっかけは、私の同僚の先輩が旦那だった。
職場の飲み会をしてた店で偶然会って、同僚と仲良かった私は旦那を紹介された。
正直、嫌いなタイプだったな。
でも何故かその後、何度も誘われるうちに二人で逢うようになった。
それは今でも私の中の、世界七不思議のひとつよ。
付き合ってた頃は、笑いながら旦那を叩く癖がある私と、文句を言わないでニヤニヤしてる彼って関係だった。
それを見た旦那の古い友だちは
『和也(旦那)は本当に真理子ちゃん(私)好きなんだなぁ。』
って驚いていた。
それを聞いた私は、いい気になってたっけ。
驚いた理由を考えもせず。
結局、渦潮に飲み込まれるみたいに半年で結婚式を挙げた。
そして、妊娠に気づかなかった【できてた婚】に、新婚旅行から帰った後に気がついた。
旦那は素直に喜んでくれたけど、私がお腹の子に神経を使うようになってから、少しずつ態度が変わってきた。
旦那は少しのことでイライラしては物に当たるようになり、次第に私に当たるようになった。
初めは仕事で何かあったのかと思っていたが、そうじゃなかった。
短気な性格だったんだ。
よく結婚までの半年も我慢してたと驚くほど、気の短い人だった。
食事に文句を言っては皿を投げ飛ばし、飲みにでかける。
薬味のネギが買い置きしてなかっただけで蹴飛ばされた。
今の私なら、物凄い反撃に出てるけど、当時の私には出来なかった。
暴力というものが無い世界で生きてきたから、自分が暴力を振るわれてる事を理解できなかった。
ボクシングだって怖くて見られなかったし、実家も見ない人たちだったから。
だから、どうしたらいいのか全く分からなくて、旦那の機嫌が悪くなる度に頭の中が真っ白になって、ただひたすら泣いていた。
親になんて言えない。
心配かけられないもん。
きっと泣いてしまうだろう。
親を今さら泣かせるなんて絶対できない!
お腹の赤ちゃんだって、私が守らなきゃならないんだ。
だから、蹴られたり叩かれた時は、頭をかばわずに、ひたすらお腹だけを守っていた。
いつも手足は痣だらけ。
頭は叩かれてボーっとすることもあったよ。
最初のコメントを投稿しよう!