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子どもが産まれてから、私は旦那より子ども中心の生活をするようになった。
真綿に包まれたような、ほんわかした時間を夢みてたけど、それは旦那が仕事に行ってる時間だけ。
朝、旦那を送り出した直後。
ここが一番ハッピーだった。
何をしていいか分からないくらい嬉しくて、飛び上がりたい気分♪
逆に、夕方になるにつれ気分は塞いでいく。
休日前の夕方なんて、これから落とされる地獄の闇を見つめている気分だった。
それでも長男の勇気は、元気にニコニコ見つめ返してくれる。
泣きたくなるくらい、とびっきりの笑顔。
この子には、旦那の血が流れていないように思えた。
この世でたったひとりの私の天使。
この笑顔だけは、絶対に守る!
絶対に幸せにしてあげる!
心から思った。
旦那は相変わらずの、わがまま生活をしていた。
それでも勇気が産まれてからは、少し優しくなった気がする。
怒り出す回数はあまり変わらなかったけど、部屋がメチャメチャになるほど暴れるのは、ひと月に一回くらいになった。
ある日。
夕飯が気に入らなかったのか、旦那の機嫌がひどく悪くなった夜。
勇気にミルクを飲ませていた私は、すぐに動けなかった。
というか、動かなかった。
だって、乳飲み子を後回しにするなんて、どう考えてもおかしいでしょう?
でも、それを許せないのが旦那。
ミルクを飲ませている私に、おかずの乗ったお皿を投げつけてきた。
勇気は守ったけど、赤ちゃんがいるのにお皿を投げるって、どういうこと?
私の中の何かが割れた。
何かが壊れた音が聞こえたような気がしたのだ。
きっと堪忍袋の緒が切れたか、
旦那を怒らせないようにしていた自分を殴り飛ばした音か、
闘いのゴングの鐘だったのかも知れない。
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