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私の両親は10年前、小学校に上がった年に死んだ。交通事故で。
そのことについての感傷は、無い。
それを受け止めるにはあまりにも幼すぎた。
「保護者に……というか私を見張る人に困ってるってコト?」
「まあ、簡単に言うとね」
微笑というのか苦笑というのか分からない笑みを浮かべた主治医は、寄り添う看護師の顔を見た。
「なら、私は一生此処で暮らす訳?」
「あるプロジェクトがある。それを、是非、秋妃ちゃんに受けて欲しいと思う」
「私は、実験体?モルモット?」
――オモチャ
――ワタシナンテソンナモン
「違うよ。身寄りの無い君には保護者が必要だ。もう、こんなことにならないようにね」
「ふうん」
「ロボット、と言えばいいのかな。君も知っているよね?」
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