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「そのロボット、私のモノになるのよね」
毎日、考えていた夢物語は現実になる。
「私、その実験に、協力するわ」
それが、サキにめぐり合う運命になった。
――――
「M-501が正式名称。君の好きに呼べるようインプットさせればいい」
「じゃあ、サキと呼ぶわ」
初めてサキを見た時、本当に驚いた。
精巧に人間の姿を再現しているとはいえ、柔らかそうな白い肌に絹糸のようなアイボリーの長い髪。目は澄んだ緑色で私を見ている。
それに反して簡素なナース服をまとった精密に造られた身体つきは少女のもの。
「サ、キ.私の名はサキ」
声は美しく、アリアを歌わせたらさぞ美しいだろうと思われる。
点滴に繋がれた右腕ではなく左手を出すとサキはそれに応じて左手を握った。
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